ドイツに住んでみて感じたのは、「日本」と「中国」の違いなんて、こちらではあまり意識されていないということ。もっと言えば、「アジア」というだけで全部ひとくくり。あっち側、みたいな。
たぶん、私たちが「バルト三国」とか「中東」とか言って、細かい違いをちゃんと説明できないのと似てるんだと思う。
私自身も、ドイツに来てしばらくしてから「フランスってこっち側だったのか」と地図を見て思ったくらいだし。結局、知識なんてそんなもの。知ってるようで知らない。
ドイツ人にとって日本は、「第二次世界大戦の共鳴国」としてもあまり認識されていない。「ああ、あの極東のどこかの島国ね」くらいの感じ。正直、どうでもいい存在なんだろうなと思うこともある。
それでも「日本人は礼儀正しくて、ルールを守る民族でしょ?」って言われることは多い。でもそれ、実はけっこう誤解。
本当のところ、日本人はルールそのものにはあんまり忠実じゃない。
むしろ「空気」に従って生きてる。
だからルールがあっても「それをどう読むか」が重要で、明文化されててもその通りにやるとは限らない。
よく「意図を汲め」って言われるけど、あれって外から見るとかなり不親切で、ある意味では傲慢かもしれない。なのに、本人たちは「謙虚さ」だと思ってる。そのギャップが面白い。
あと、頭をぺこぺこ下げる文化。ドイツ人から見るとちょっとした「腹筋運動」に見えるらしい(笑)。
そして言いたいことをはっきり言わないのも、もどかしいって言われる。たしかに、こっちの人たちははっきりしてる。対して日本人は、ちょっと突っ込まれるとすぐ不安な目になる。
ごめんなさいって反射的に言っちゃうのも、日本的かもしれない。
利益についても、日本人って「構造的にどう得をするか」とか「長期的にどう動くべきか」みたいな発想が苦手。いつも目先の損得、特に「今月いくら入るか」ばっかり考えているように見えることがある。それもまた、外から見たときにすごく特徴的に映る。
自分も日本人だからこそ、この辺はけっこう複雑な気持ちになる。
でも、そうやって距離を置いて見ることで、改めて「自分はどうありたいか」ってことを考えさせられるのかもしれない。
コメント